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2021-08-16

ランニングはスマホから本当の意味で離れる唯一の時間

2021年を現在進行形で駆け抜ける私たちは、常に「通知」にさられている。

それは郵便のお知らせでもなければ、ご近所さんからのお声がけでもない。

そう、スマートフォンの「プッシュ通知」だ。

24時間、365日、誰かとコミュニケーションを取るたびに、お気に入りの何かの最新情報を得ようとするたびに、私たちの日常は「通知」で一時中断を余儀なくされる。

もちろん物理的に「通知をオフ」にすることは可能だ。スマートフォンから物理的に離れることだってできる。

ただ、そんなことをしても、何だか脳みその奥深くとスマートフォンの先に広がるヴァーチャルな世界が細く強い糸で繋がっている。そんな気がしてならないのだ。トイレで用を足してる時も、湯船で鼻歌を歌っている時でさえ、その細く強い系ななかなか途切れてくれない。そんな感覚、お持ちの方も少なくないのではないか。

走っている時こそ、私たちはスマホから離れてひとりになれる

そんな私にとって、走っているとき、つまりランニングやジョギングをしている時が唯一、そんなスマートフォンや通知から離れられる貴重な時間となっている。

もちろん、スマートフォン自体は携帯して走る。お気に入りのランニングアプリだってバックグランドで起動させている。時にはランニング中に写真を撮ったりもする。ただ、それ以外は確実に走ることに集中して、時に自らの足音、腕の振り、大地を噛み締めるグリップ感覚に心がロックされる。もちろん、良い意味で。

そうやって、スマホを持っていてさえ、走っている時だけはスマホの世界から逃れられることができる貴重な時間だ。身体を前へ前へと突き進める営みの結果、そんな身体に搭載されている脳と心は、本来落ち着くべきところへ落ち着いていく。そうやって、走る私たちの身体は心を道連れにして整っていく。

雑音を完全にオフにしたいなら、今すぐ飛び出して走り出せ

トイレにこもっても、風呂に逃げ込んでも、つきまとうヴァーチャルな世界と通知。だから、雑音から逃げ出したいなら、今すぐその足で走り出せ。

地面を蹴って、腕を降って、胸いっぱいに新鮮な空気を吸い込んで。そうやって吸って、吐いて、走って、走って、走って。そうやっていれば、人間が本来あるべき「ポジション」へ自然と整っていく。それが、人間にとっての「走る」という営みそのものなのだ。

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