ガーミン165の使い方など徹底レビュー|Forerunner
2024年ガーミンのランニングモデル待望の新作が2月29日にリリースしました。ガーミン歴代のランニング向けモデルをレビューしてきたrunstagramerでも発売日に購入し、5回50km以上使用してその実力を紹介します。
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
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ガーミンのランニングウォッチにおける「165」の位置付けとは?
まずガーミンのランニング専用モデル「Forerunner(フォアランナー) / ForeAthlete(フォアアスリート)」の最新全モデル名をすべて列挙してみます(価格は税抜き価格|2024年12月4日時点)
モデル名 | 価格(税込) | 発売日 |
ForeAthlete 55 | ¥32,000 | 2021/6/17 |
Forerunner165 | ¥39,800 | 2024/2/29 |
Forerunner 165 Music | ¥44,800 | 2024/2/29 |
Forerunner 255 | ¥47,800 | 2022/6/16 |
Forerunner 255s | ¥49,800 | 2022/6/16 |
Forerunner 255 Music | ¥52,800 | 2022/6/16 |
Forerunner 265 | ¥62,800 | 2023/3/2 |
Forerunner 265s | ¥62,800 | 2023/3/2 |
ForeAthlete 745 | ¥44,800 | 2020/10/1 |
Forerunner 955 | ¥84,800 | 2022/6/16 |
エントリーモデルとしては「ForeAthlete55」が2021年からその重責を担ってきました。そして、事実上現在まで最も売れているのが「55」である事実から、コストパフォーマンス対するニーズは根強かったものと推測されます。
そんな背景の中、ようやくエントリーモデルに2024年の新作モデルとして投入されたのが今回の「165」となります。
ガーミンのエントリーモデルに足りなかったもの
一番売れてるモデルといっても「55」は2021年発売で3年前のモデル。直近の最新モデルの大幅アップデートを尻目に、「55」はどんどんと機能的な遅れをとっていくととなりました。中でも
- AMOLEDディスプレイ(液晶ディスプレイからの脱却)
- タッチディスプレイ搭載
- VO2MAX、リカバリータイム、ランニングダイナミクス…等の最新の機能
このあたりは上級モデルでなくても搭載して欲しい機能や特徴だったのですが、これらが実装されたのが今回の「Forerunner165」です。昨年発売されたひとつ上のグレード「265」よりも¥20,000近く安いコストパフォーマンスに優れたモデルとなりますね。
Forerunner 165と265の違い
これだけ聞くと「だったら265より断然165でいいじゃん」となると思いますので、ざっくりと違いをスペック表で紹介しておきます。
Forerunner 165 | Forerunner 265 | |
レンズ素材 | 化学強化ガラス | Corning Gorilla Glass 3 |
ベゼル素材 | FRP | FRP |
解像度 | 390 x 390 ピクセル | 416 x 416 ピクセル |
重量 | 39g | 47g |
バッテリー | スマートウォッチモード: 約 11 日間 GPSモード: 約 19 時間 マルチGNSSモード: 約 17 時間 (バッテリー節約スマートウォッチモード: 約 20 日間) | スマートウォッチモード: 約 13 日間 GPSモード: 約 20 時間 マルチGNSSマルチバンドモード:約 14 時間 |
GPSセンサー | GNSSマルチバンド非対応 | GNSSマルチバンド対応 |
内蔵メモリ | 4GB | 8GB |
素材の違い
まず素材としてフェイスガラスの違いがあります。265は「Corning Gorilla Glass 3」を搭載しており、質感としては265に軍配です。ただ、ベゼルはFRPで変わりません。
バッテリーの違い
次にバッテリーですが、スマートウォッチモード・GPSモード共に265に軍配が上がるもののそれほど大きな違いとは言えないでしょう。むしろ165にはバッテリー節約モードが搭載されて理論上20日の長期利用が可能です。
GPS計測精度の違い
GNSSマルチバンドは特にビルに囲まれた場所のランニング走行時にGPSトラッキング精度の差として実感できるでしょう。開けた場所を計測するならこの機能の差分によって、GPS精度の差分にも大きく影響は無いと思われます。
トレーニング機能の充実
265はランニングダイナミクス(接地時間、ストライド長など)やPacePro、トレーニングレディネス機能を活用し、詳細なトレーニング分析が可能です。265が165に比べて高いのは、ここ最後の理由が大きいですね。
それでは、早速実走レビュー致しましょう。
Forerunner165で走って計測してみた
早速50km程度実際に走行して計測してみた定性的なインプレッション含めてレビューしましょう。
走行データや走行時に関するレビューの前に、まずはセットアップの部分に関して。今まで何台ものセットアップを行なってきましたが、今回のモデルはペアリングからデータ連携まで最速でした。
こういった内部的な性能の改善も日々行われている感覚があります。セットアップの際は事前にGarmin Connect Mobileアプリをインストールしてメンバー登録しておきましょう。
165を装着して走ってみる
まず感覚的な装着感、265よりも8g軽くコンパクトなボディはピッタリと手首にフィットして着けている負荷をランニング中は全く感じさせませんでした。バンドの素材感も良いですね。
走行開始は右上の物理ボタンをポチッと押して「ラン」を選択してスタート。GPSの補足が完了するまで、だいたい10〜30秒ぐらいですね。
最初に目を引くのはやはり画面の見やすさ、視認性の良さです。比較される前任のエントリーモデル「55」の液晶ディスプレイに比べ、AMOLEDは自ら発光する仕組みなのでとにかく見やすいです。
次に計測中の画面です。切り替えは左の物理ボタンから行います。
- トータル走行タイム
- 走行距離
- ペース
- 心拍数
の4つが表示される左上の表示が基本です。他のメーカー、他のモデルでは「心拍数」は別画面で表示させることがほとんどなので、この4つの指標が一つの画面で見られるのは大変良い改善ですね。
走行完了したら右上のボタンで操作します。終了(保存)せずに再開したり、削除したりも可能です。
走行後は基本的な計測指標が直ぐに参照できます。
- 心拍数|平均値と最大値
- 心拍数|ゾーン分布
- ランニングパワー|平均値と最大値
- ランニングパワー|ゾーン分布
※Garminのラン二ングパワー搭載モデル|ランニング中に発生する様々な動作の主要な構成要素を分析し、路面に加わる推進力を算出します。(Garmin公式より抜粋
その他には、高度の推移、有酸素と無酸素の割合、リカバリーに必要な時間が閲覧できます。
スマートフォンとGarmin Connect Mobileアプリがあれば、直ぐに手元のスマホから記録をよりリッチに、詳細を参照可能です。
上部のタブで表示を切り替えます。まずは「概要」はこのような感じ。
次いで「統計」数値です。
次に「ラップ数」さらに「グラフ」です。
グラフではランニングダイナミクス、つまり上下動や設置時間の推移がグラフで視覚的にレビューできるので、ランニングフォーム・パフォーマンスの改善に繋がりそうですね。
以上がランニングでの実走インプレッションでした。
総括|初心者ランナーなら「165」一択
エントリーモデルとして位置付けられた165ですが、エリート・シリアスランナーを除く多くのランナーにとって大変コストパフォーマンスの優れるモデルです。よりストイックに練習して記録を縮めたい、そんな人は「265」が良さそうですね。
ディスプレイやバッテリー性能という大枠のスペック満足度はもちろん、ランニングのパフォーマンス改善に必要なモダンな計測機能は一通り揃っているので、ウェアラブルデバイスにどこまで「パフォーマンス改善」体験を依存するかですが、「測定」観点でいえばもう十分すぎる機能です。
Forerunner 165
<製品仕様>
- 重 量: 39 g
- サイズ(W×H×D):43×43×11.6 mm
- ディスプレイ: 直径1.2インチ AMOLED
- 解像度: 390×390 ピクセル/カラー
- ベゼル素材: 繊維強化ポリマー
- レンズ素材: 化学強化ガラス
- バンドサイズ: 20mm(シリコン)
- 稼働時間: スマートウォッチモード 約11日間/GPSモード 約19時間
- 防水機能: 5ATM(50m防水)
- 接続機能: Bluetooth®、ANT+、Wi-Fi(Musicのみ)、USB
- 衛星測位: GPS/GLONASS/Galileo/みちびき(補完信号)
- センサー: 光学式心拍センサー、電子コンパス、気圧高度計、加速度計など
Forerunner165は日本限定モデル?
Forerunner 165 は現時点では 日本専用モデル として展開されている可能性が高いです。Garminは日本市場向けに、「Forerunner」シリーズの特定モデルを「ForeAthlete」シリーズ」や独自モデル名として展開することがあります。例えば、以前の「ForeAthlete 45」はグローバルでは「Forerunner 45」として販売されていましたが、日本では専用名称が付与されました。
Forerunner 165 についても、機能的に見ると Forerunner 265 の簡易版や派生モデルに相当する可能性があり、日本市場向けにローカライズされていると考えられます。
理由として考えられるポイント:
- 市場ごとのニーズに対応
- 日本では、初心者ランナーや手頃な価格帯を求める層が多い傾向があります。そのため、グローバルモデルの一部機能を削減したバージョンを提供することがあります。
- 価格と機能のバランス
- グローバルで販売される Forerunner 265 はやや高価格帯の中級モデルです。一方、日本の初心者ランナーに向けて、価格を抑えたモデルとして Forerunner 165 が設計された可能性があります。
- 国内市場に特化したネーミング
- 「165」のような新しいナンバリングは、日本独自展開を示している可能性があります。
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