【徹底レビュー】ASICS Magic Speed 4|“コスパ最強!練習で使えるカーボン”の完成度がさらに上がった理由

「テンポ走の日は自然に1~2秒/km速くなる」―Magic Speed 4(以下、MS4)を履いたランナーが口をそろえて言う実感です。前作から何が進化し、他社の“トレーニング兼レース”系モデルとどこが違うのか。現役ランナーの支持理由まで一気に解説します。
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
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Contents|目次
一言でいうと:レース寄りの推進力 × デイリーに使える安定感
- フルレングスプレートの推進力を、扱いやすい反発量に最適化
- FF BLAST+ ECO中心の“ハリのある柔らかさ”で脚当たりはマイルド
- 接地の安定が増し、閾値走~ペース走の再現性が高い
主要スペック(編集部実測・所感まとめ)
- 用途:テンポ走、ビルドアップ、ロング走の後半、タイムトライアル、セカンドレース用
- プレート:フルレングス(カーボン系)
- ミッドソール:FF BLAST+ ECOベース(前作より反発域がフラット)
- ドロップ:おおよそ7–8mm帯(体感は“やや前傾を作りやすい”)
- 重量:前作比で同等~微軽量(サイズにより誤差)
- アッパー:通気・ホールドの両立を高めたエンジニアードメッシュ
- ライド感:硬すぎず、沈み込みすぎない“弾む直進性”
※公式値はモデル・サイズで異なるため購入時は要確認。
何が進化した?(Magic Speed 3 → 4)
- 反発の“使いやすさ”
前作は「踏み込みが浅いと反発に届きにくい」声もありました。MS4はミッドソール配合とプレートのしなり出方が見直され、接地が多少ばらついても前に転がる。テンポ走でペースが整いやすいのはこのため。 - 安定性の底上げ
接地面の設計とミッドソールの横方向の“倒れにくさ”が改善。疲れてフォームが甘くなっても重心が逃げにくく、ストライドを保ちやすい体感に。 - アッパーの快適性
踵と甲の“面で支える”ホールド感が向上。シューレースもテンション管理がしやすく、締めすぎ問題や甲の圧迫が出にくい。夏場の通気も合格点。
履き心地・走行感の実像
- 接地:やや前寄り~ミッド接地で転がしやすい
- 反発:ガツンではなく「スッ」と進むタイプ。閾値走ペースの維持がラク
- クッション:硬派すぎず、柔らかすぎず。脚に“のしかからない”軽快さ
- 安定:横ブレが少なく、スイートスポットが広い
- 静粛性:接地音は比較的おとなしい(路面とペースで変動)
どんな練習で真価を発揮?
- 閾値走(Tペース):20~40分の一定ペースで持ち味が出る
- テンポ走・マラソンペース走:1kmあたりのブレが小さい
- ロング走の後半:脚が重くなってもフォーム維持をアシスト
- 5~15kmのTT:レースシューズほどピーキーでなく扱いやすい
フルの本番を“厚底トップレーサー”に任せるランナーが、ポイント練習の80%をMS4で回す、という使い分けがとても相性良いです。
他メーカーの競合とどう違う?
Nike Zoom Fly 6
- 強み:ナイキらしい推進感、ブランドの使い回しやすさ
- 違い:Zoom Flyは反発の“山”がはっきり。MS4は反発がフラットで刻みやすい。安定もMS4が上。
adidas Adizero Boston 13(グラスファイバー・練習寄り)
- 強み:耐久・グリップ、万能感
- 違い:Bostonは“練習万能シューズ”。MS4は練習~セカンドレースまで狙える“もう一段上の推進力”。
Saucony Endorphin Speed 4(ナイロンプレート)
- 強み:スムーズなSpeedRoll、軽快な弾み
- 違い:Speed 4は“軽い弾み”。MS4はもう少し低回転域でも転がる印象で、閾値走の安定が高い。
PUMA Deviate Nitro 3
- 強み:柔らかめのクッションで入り口が広い
- 違い:Deviateはマイルド反発。MS4はペースを上げたときの直進性と安定が際立つ。
要するにMS4は、「練習で使い倒せて、そのまま地方レースや記録会にも出られる」位置づけ。ピーキーなトップレーサーとデイリートレーナーの“ど真ん中”より、ややレース側に寄せたチューニングです。
支持される理由(現役ランナー視点)
- ペースコントロールがしやすい:同じ感覚で刻むと同じ数字が並ぶ
- 翌日に疲労が残りにくい:硬さで殴らない反発特性
- ローテで組みやすい:厚底レーサー(本番)/MS4(ポイント)/クッション厚め(ジョグ)
- 耐久性が悪くない:練習用としてコスパが成立
サイズ・フィットの目安
- 足長は「いつものアシックス基準」で選びやすい
- 甲高・幅広は、シューレースのテンションである程度吸収可能
- 迷ったら“ハーフ上げ”より“通常サイズ”から。踵ロックが効く
想定ターゲット
- サブ4~サブ3.5のメイン練習用、サブ3前後のポイント練習用
- 初カーボンの“入口”ではなく、「練習でカーボンを回したい」二足目以降に最適
- レースは厚底トップ、練習は“似た感触で安定”を求める層
ローテーション例(失敗しない組み合わせ)
- レース:METASPEED SKY/EDGE、Vaporfly/Alphafly、Adios Pro
- ポイント練習:Magic Speed 4
- ジョグ・回復:GEL-NIMBUS / NOVABLAST / Clifton / 1080
気になりうる点(正直レビュー)
- 超ソフト志向には硬く感じる場合あり
- 極端なフォアフットで“跳ねたい”ランナーにはトップレーサーほどの爆発感は出ない
- 路面が荒いとアウトソールの消耗はそれなりに出る(ローテで緩和)
結論:ポイント練習の“打率”を上げる一足
Magic Speed 4は、前作の良さ(練習で使える推進力)を保ったまま、安定と使いやすさを増量。閾値走・テンポ走・Mペース走の再現性が高く、狙ったペースに“気持ちよくハマる”のが最大の美点です。
トップレーサーを買い替える前に、まずはMS4で練習の質と継続性を底上げする――そんな賢い選択ができる完成度に仕上がっています。

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よくある質問(FAQ)
Q. 初カーボンに向いていますか?
A. 「毎週ポイントを回す」前提ならおすすめ。完全な入門にはナイロン/TPUプレート系(Endorphin Speed、Propelなど)も検討価値あり。
Q. フルマラソン本番で使えますか?
A. サブ3.5~サブ4付近なら十分“現実解”。サブ3前後で自己ベスト狙いなら、より反発の大きいトップレーサーが本命。
Q. 普段のジョグにも使えますか?
A. 可能ですが、反発とプレートの特性が活きにくいので非効率。ジョグはクッション厚めのデイリートレーナーに任せると寿命面でも◎。
Q. 耐久性は?
A. 練習用として標準的~良好。アウトソールの摩耗は路面と走り方に依存。ローテーション運用がベター。
Q. サイズ選びのコツは?
A. アシックス基準でいつものサイズが目安。甲高・幅広はシューレースのテンション調整で対応しやすい設計です。