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2025-12-20

プロギングとは?走って街も心も整う、新しいランニングのかたち

Contents|目次

年末こそおすすめしたい「心の大掃除ラン」

年末が近づくと、日本では大掃除をするのが当たり前の風景になります。
家を掃除すると不思議と気持ちまでスッと軽くなる——そんな経験、誰にでもあるはずです。

実はそれと同じ感覚を、ランニングしながら味わえるアクティビティがあります。
それが「プロギング(Plogging)」です。

走って、拾って、街をきれいにする。
でも本当に変わるのは、街だけじゃなく、自分の心かもしれません。

🔳 この記事を書いた人 🔳

  • runstagramer 編集長 / 三好拓也
  • 20年以上ランニングを楽しむ市民ランナー
  • 公式Xアカウントでも情報配信中

プロギングとは?

「走る × 拾う」を組み合わせた北欧発のムーブメント

プロギングは、
ジョギング(Jogging)+ ゴミ拾い(Plocka upp)
を組み合わせた造語で、スウェーデン発祥のランニングスタイルです。

やり方はとてもシンプル。

  • いつものランニングコースを走る
  • 気になったゴミを拾う
  • 走る → 拾う → 走る、を繰り返す

スピードや距離は重要ではありません。
大切なのは、周囲に目を向けながら走ること

世界中で広がり、日本でもランナーやコミュニティを中心に徐々に定着しつつあります。

なぜ年末に「プロギング」がおすすめなのか

① 日本の「大掃除文化」と相性が抜群

日本人にとって年末の掃除は、
単なる片付けではなく「区切り」や「リセット」の意味を持ちます。

プロギングはまさに、

  • 街の汚れを落とす
  • 一年お世話になった道をきれいにする
  • 新年を気持ちよく迎える準備をする

という、外に広がった大掃除のような存在。

自宅だけでなく、
自分が日常的に走っている街や道を掃除するという行為は、
年末らしい静かな充実感を与えてくれます。

② 心の「ノイズ」が驚くほど減る

プロギングをしていると、不思議な変化が起こります。

  • ペースやタイムを気にしなくなる
  • SNSや仕事のことを考えなくなる
  • 「今、目の前」に集中する

ゴミを拾うという行為は、
思考を一気に現在地へ引き戻す力があります。

結果として、

  • 頭の中が静かになる
  • モヤモヤしていた気持ちが整理される
  • 走り終わった後、気持ちがやけに軽い

これはまさに心の清掃

年末の忙しさや一年の疲れを、
言葉ではなく「行動」でリセットできるのがプロギングの魅力です。

③ ランニングが「誰かのための時間」になる

普段のランニングは、どうしても自分中心になりがちです。

  • 今日のペース
  • 距離
  • 心拍
  • 目標

プロギングでは、その視点が少し変わります。

  • この道、きれいだと気持ちいいな
  • 子どもが歩く場所だから拾っておこう
  • ここはよく走る場所だから大切にしたい

走ることが、
街や他人との関係性を取り戻す時間になる。

これが、プロギングが「優しいランニング」と言われる理由です。

ランナー目線で見るプロギングのメリット

・自然とフォームが良くなる

しゃがむ・立つ・進む、という動作が入ることで、
股関節や体幹を自然に使う動きになります。

・運動強度がちょうどいい

速く走らないので、年末の疲れた体にも優しい。

・罪悪感ゼロ

走り納めの日にペースが遅くても、
「街をきれいにした」という満足感が残ります。

プロギングの始め方(超シンプル)

必要なものはほとんどありません。

  • ランニングウェア
  • 手袋(軍手やランニンググローブ)
  • 小さなゴミ袋

距離は3〜5km程度で十分。
「今日はプロギングする」と決めて走るだけです。

コツはただ一つ。
無理に全部拾おうとしないこと。

気になったものだけ拾えばOKです。

年末のおすすめプロギングスタイル

  • 朝ランついでに30分
  • 走り納めの日に仲間と一緒に
  • 一人で静かに、イヤホンなしで

特におすすめなのは、
イヤホンを外して走るプロギング

街の音、風の音、足音を感じながら拾うゴミは、
驚くほど心を落ち着かせてくれます。

プロギングにおすすめのギア

最低限でOK。でも“あると続く”アイテムたち

プロギングは特別な装備がなくても始められますが、
いくつかのアイテムがあるだけで快適さと継続性が一気に上がります。

グローブ(軍手 or ランニンググローブ)

素手でゴミを拾うのは衛生的にも心理的にもハードルが高め。
薄手の軍手や、冬ならランニング用グローブがおすすめです。

  • 防寒にもなる
  • そのまま走れる
  • 汚れても気にならない

「走るついでに拾う」感覚を保つためにも必須アイテムです。

小さめのゴミ袋(コンパクトサイズ)

大きすぎる袋は走りづらくなります。
レジ袋サイズ or 小型ゴミ袋がちょうど良いです。

  • 手に持っても邪魔にならない
  • 数十分のプロギングに十分
  • 終わったらそのまま捨てられる

ポケットやウエストポーチに1枚忍ばせておくのもおすすめ。

ウエストポーチ or ランニングベルト

両手をできるだけフリーにするためにあると便利。

  • スマホ
  • 予備の袋

をまとめて収納できます。
プロギングは「立ち止まる→拾う→走る」を繰り返すので、
揺れにくいベルトタイプが相性◎。

防寒ウェア(特に年末)

年末のプロギングはゆっくり走ることが多いため、体が冷えやすいです。

  • ウインドブレーカー
  • ネックウォーマー
  • 耳を覆えるキャップ

「少し暖かすぎるかな?」くらいがちょうど良いです。

イヤホンは“あえて外す”のもおすすめ

音楽を聴きながらでもOKですが、
プロギングの良さを最大化したいならノーイヤホンも一度試してみてください。

  • 街の音
  • 足音
  • 風の音

に意識が向くことで、
より“掃除している感覚”と“整っていく感覚”が強くなります。

プロギングに関するよくある質問(FAQ)

Q1. プロギングって偽善っぽくない?

A. 誰に見せるものでもありません。
SNSに投稿しなくてもいいし、評価される必要もありません。
自分が気持ちよく走れて、街が少しきれいになる。それだけで十分です。


Q2. どれくらいの距離・時間がベスト?

A. 20〜40分、3〜5km程度でOK。
プロギングはペースも距離も目的ではありません。
「今日は少し拾ったな」くらいが一番続きます。


Q3. 走るペースが落ちても大丈夫?

A. まったく問題ありません。
むしろプロギングは回復ラン・リカバリーランとして非常に優秀です。
年末の疲れた体には最適。


Q4. ゴミ拾いしていて変に思われない?

A. ほとんど気にされません。
むしろ、何度か続けると「この人、よく拾ってるな」と
静かに好意的に見られることが多いです。


Q5. 子どもや家族と一緒にやってもいい?

A. とてもおすすめです。
スピードを競わないので、家族ラン・親子ランとの相性は抜群。
「走る=楽しい+人の役に立つ」という体験になります。


Q6. 雨の日や寒い日はどうする?

A. 無理にやらなくてOK。
プロギングは義務ではありません。
「今日は普通に走る」「今日は休む」も立派な選択です。


Q7. 年末以外でもやっていい?

A. もちろんです。
ただ、年末は始めるきっかけとして最高というだけ。
気に入ったら年明け以降も続けてみてください。

まとめ|走って、拾って、心まで整える年末へ

プロギングは、
環境のためだけの活動ではありません。

  • 走る自分を見つめ直す
  • 街との関係を取り戻す
  • 心の中を静かに整える

そんな時間を与えてくれる、
年末にこそふさわしいランニングです。

一年間、たくさん走った道に感謝しながら。
新しい年を迎える準備として。

今年の走り納めは、
少しだけ優しいランニングを選んでみませんか。

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