【徹底レビュー】ゲルニンバス27は「ランニングの質」を変えるか?前作&他社人気モデルと比較

アシックスのランニングシューズ「ゲルニンバス」シリーズは、その類まれなクッション性で多くのランナーから愛されてきました。そして2025年、待望の新作「ゲルニンバス27」が登場しました。
本記事では、20年以上ランニングを楽しむrunstagramer編集長・三好が、ゲルニンバス27を徹底的にレビューします。前作からの進化ポイント、そして同じくクッション性が人気の他社モデルと比較することで、ゲルニンバス27があなたのランニングライフに何をもたらすのか、その真価を明らかにします。
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
- 20年以上ランニングを楽しむ市民ランナー
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Contents|目次
日本の誇るランニングブランド「アシックス」について
レビューに入る前に、まずはアシックスというブランドの魅力を改めてお伝えします。 アシックスは、1949年に創業した「鬼塚商会」をルーツに持ち、「健全な身体に健全な精神があれかし」という社名の由来の通り、人々の健康を支える製品開発を続けてきた日本のブランドです。 特にランニングシューズにおいては、トップアスリートから市民ランナーまで、あらゆるレベルのランナーのニーズに応える革新的なテクノロジーを搭載した製品を世に送り出しています。ゲル(GEL)テクノロジーや、FF BLASTシリーズなど、多くの独自素材と技術力で、世界中のランナーから絶大な信頼を獲得しています。
編集長レビュー:ゲルニンバス27のファーストインプレッション

箱から取り出してまず感じたのは、その厚底でありながら洗練されたデザインです。前作のニットアッパーからメッシュに変わり、よりモダンでシャープな印象を受けます。
実際に足を入れると、前作のような「ふわふわ」とした柔らかさよりも、「しっかりとした安定感のあるクッション」という印象が強いです。これは、厚みを増しながらも、着地時のブレを抑えるための設計だと感じました。
走り出すと、その安定感がより顕著に。着地から蹴り出しまで足元がブレることなく、スムーズな重心移動をサポートしてくれます。これは、ただ単に柔らかいだけのシューズとは一線を画す、ゲルニンバス27の大きな進化点だと断言できます。 特に、長距離を走った後の疲労が溜まった足でも、この安定感がしっかりとしたサポートを提供してくれるため、安心して走り続けることができました。
ゲルニンバス26からの進化ポイント:3つの変更点がもたらすもの
ゲルニンバス27は、前作のゲルニンバス26からいくつかの重要な変更が加えられています。
- アッパー素材の変更:フィット感と通気性の向上
前作のニットアッパーから、より耐久性と通気性に優れたメッシュ素材に変更されました。 この変更により、足全体を包み込むようなフィット感が増し、長距離を走っても足が蒸れにくくなっています。 フィット感の向上は、シューズ内での足のブレを防ぎ、安定した走りをサポートする上で非常に重要な要素です。 - 厚みと重さの増加:安定性の追求
ミッドソールの厚さが2mm増して42.5mmになった一方で、重量も若干増加しています。 この重量増は、単にクッション性を高めるだけでなく、厚底化による不安定さを解消するための設計です。 その結果、「柔らかなクッション」と「安定感」という相反する要素を高次元で両立させています。 これにより、着地時の衝撃吸収と、着地後の安定した蹴り出しという、ランナーにとって理想的な走りを実現しています。 - 走り心地の進化:クッションの質が変わった
前作の「ふわふわ」した感触から、今作は「沈み込みすぎない、反発力のあるクッション」に進化しています。 この反発性のあるクッションは、ゆっくりとしたリカバリージョグから、少しペースを上げるLSD(Long Slow Distance)まで、幅広い用途で使えるオールラウンダーなシューズへと進化を遂げさせました。
【徹底比較】ゲルニンバス27 vs 他社人気クッションシューズ
ゲルニンバス27が市場でどのような立ち位置にあるのか、同じくクッション性の高さで人気を博すホカ、ナイキ、ニューバランスの3モデルと比較してみましょう。
項目 | アシックス ゲルニンバス27 | HOKA CLIFTON | NIKE VOMERO | New Balance 1080 |
コンセプト | 安定感のあるクッション | 軽量で柔らかいクッション | 柔らかな反発力 | 最高の履き心地とクッション |
主な用途 | リカバリー、LSD、長距離 | 日常のジョギング、LSD | 日常のジョギング、長距離 | 日常のジョギング、長距離 |
ミッドソール | FF BLAST PLUS ECO | CMEVAフォーム | ZoomX | Fresh Foam X |
安定性 | 非常に高い | やや高い | 高い | 高い |
反発性 | 高い | やや高い | 高い | 高い |
走り心地 | 安定した着地からスムーズな蹴り出し | 軽やかな浮遊感 | 柔らかく弾むような感覚 | 快適なフィットと滑らかな走り |
価格帯 | 20,900円 | 約20,000円 | 約18,000円 | 約20,000円 |
編集長の考察:ゲルニンバス27は、ホカのクリフトンが持つ「軽やかさ」や「柔らかさ」とは異なり、高い安定性で足元をしっかり支えてくれます。ナイキのボメロが「柔らかい反発力」を追求しているのに対し、ゲルニンバスは「安定感を加えたクッション」という独自のポジションを確立。また、ニューバランスの1080が総合的な快適性を重視しているのに対し、ゲルニンバスは特に「安定した着地」に焦点を当てています。 ゲルニンバス27は、ただ柔らかいだけでなく、ランナーの足をしっかりとサポートしてくれる、まさに「走りの質を高める」ためのシューズと言えるでしょう。
こんなランナーにおすすめ!
ゲルニンバス27は、以下のようなランナーに最適なシューズです。
- リカバリーやLSDで足への負担を軽減したいランナー
- 厚底シューズを試したいが、安定性を重視したい方
- ランニングフォームを安定させたい初心者ランナー
- サブ4〜サブ5を目指すランナーの日常のジョグシューズとして
- 耐久性の高いシューズを求めている方
- 逆に、速さを追求するインターバル走やレースには向いていません。
まとめ:ゲルニンバス27は『ランニングの質を高める』最高のパートナー
ゲルニンバス27は、単にクッションが柔らかいだけのシューズではありませんでした。 「安定感」という新たな価値を加えることで、ランニングの土台となる部分をしっかりとサポートし、「ランニングの質」そのものを高めてくれる一足だと感じました。
このシューズは、あなたの走りを力強く、そして安心して支えてくれる最高のパートナーになるはずです。

【よくある質問(FAQ)】
Q1:ゲルニンバス27のサイズ感は?
A1: 一般的に、アシックスのシューズは普段履いているスニーカーと同じか、ハーフサイズアップがおすすめです。ゲルニンバス27は、前作同様、ややタイトなフィット感なので、試着してからの購入を推奨します。
Q2:ゲルニンバス27はどのようなトレーニングに向いていますか?
A2: 主に、ゆっくりとしたペースでのジョギング、LSD(Long Slow Distance)、リカバリーランなど、足への負担を減らしたいトレーニングに適しています。クッション性が高いため、長距離を快適に走りたい時にも活躍します。
Q3:耐久性はどのくらいですか?
A3: ゲルニンバスシリーズは耐久性に定評があり、前作でも1,000km以上使用できたというレビューが多く見られます。今作もアウトソールがしっかりしているため、高い耐久性が期待できます。
Q4:前作のゲルニンバス26と比べて、どちらがおすすめですか?
A4: 「ふわふわとした柔らかさ」を最優先するならゲルニンバス26も良い選択です。しかし、「クッション性と安定性の両立」を求めるなら、間違いなくゲルニンバス27がおすすめです。安定した走りを手に入れたいなら、今作を選ぶ価値は十分にあります。