【2025年最新】はじめてのカーボンランニングシューズのおすすめ5選|カーボンのメリット・デメリット・寿命とは?

ここ数年で一気に市民ランナーの間にも広がった「カーボンシューズ」。
フルマラソンや駅伝で世界のトップランナーが履いている姿を見て、「自分も履いたら速くなれるのでは?」と思った方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には「誰に向いているのか」「どんなメリットとデメリットがあるのか」「寿命は短いって本当?」など、気になる点も多いはず。
この記事では、20年以上ランニングを楽しんできた僕(三好)が、カーボンシューズの仕組み・メリットとリスク・寿命と買い替えサイクル・おすすめモデルまで、ランナー目線で徹底解説していきます。
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
- 20年以上ランニングを楽しむ市民ランナー
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Contents|目次
カーボンシューズとは?
カーボンシューズとは、ミッドソールにカーボンファイバープレートを内蔵したランニングシューズのこと。
このカーボンプレートが「バネ」のような役割を果たし、着地のエネルギーを推進力に変換することで、ランニング効率を高めます。
仕組み
- 推進力:ストライドを自然に伸ばし、少ない力で前に進める
- 反発性:高反発フォーム+カーボンでエネルギーリターンを増幅
- 安定性:足のねじれを抑え、真っ直ぐ前へ進む動きをサポート
カーボンシューズのメリットとデメリット
メリット
- タイム短縮効果
着地の衝撃が推進力に変わるため、レース後半でもストライドを維持しやすい。 - 効率的なフォーム習得
フォアフットやミッドフット走法を自然に促してくれる。 - 自己ベスト更新への近道
サブ3やサブ3.5を狙うランナーにとっては、大きな武器になる。
デメリット
- 価格が高い(2〜4万円台が中心)
- 寿命が短い(200〜300km程度が目安)
- 脚力・フォームが未熟だと逆効果
反発が強すぎて足裏やふくらはぎに負担が集中する場合も。
カーボンシューズの寿命と買い替えサイクル
一般的なランニングシューズが 500〜700km 持つのに対し、カーボンシューズは 200〜300km程度 で寿命を迎えるとされます。
理由は、
- 軽量で高反発なフォーム素材が早くへたりやすい
- プレートは壊れなくてもソールの反発性能が落ちる
そのため「フルマラソン2〜3回+ポイント練習」で使い切るイメージです。
編集長コメント
僕自身、カーボンシューズをレースとスピード練習だけに限定して使っています。ジョグやLSDは耐久性のあるデイリートレーナーを使うことで、寿命をうまくコントロールできます。
カーボンシューズとノンカーボンシューズの違い
項目 | カーボンシューズ | ノンカーボンシューズ |
---|---|---|
スピード | 高反発でストライドが伸びやすい | 反発は穏やか |
安定性 | 前への推進に特化 | 足の自由度が高い |
価格 | 高価(2〜4万円台) | 幅広い価格帯 |
寿命 | 200〜300km程度 | 500〜700km程度 |
対象 | 中〜上級者向け | 初心者〜上級者まで |
カーボンシューズをおすすめするランナー
- サブ3〜サブ3.5を目指すランナー
- フォアフットやミッドフットで着地できるランナー
- レースで1秒でも速く走りたいランナー
逆に「初心者がジョグ用に毎日履く」のはおすすめしません。クッションが早く劣化するだけでなく、フォームが崩れやすくなるからです。
寿命を伸ばすための工夫
✔︎ レースとスピード練習専用にしてジョグでは使わない
✔︎ 2〜3足をローテーションで使い分ける
✔︎ 使用後は風通しの良い場所で乾燥させ、直射日光は避ける
初めてのカーボンシューズにおすすめのランニングシューズ
カーボンシューズといえば「上級者向けで扱いが難しい」というイメージもありますが、最近は初めての一足としても履きやすいモデルが増えています。ここでは、これからカーボンシューズに挑戦したいランナーにおすすめの5足をご紹介します。
1. ASICS|Magic Speed 4

ASICSが「初めてのカーボンシューズ」として強く打ち出すのがこのMagic Speed 4。上位モデルのMetaspeedシリーズと同じフルレングスカーボンプレートを搭載しながらも、ミッドソール素材や形状を調整することで扱いやすさを重視しています。ジョグや日常練習にも対応できる耐久性があり、「1足で練習からレースまで」を叶えたいランナーに最適です。
主な特徴
- フルレングスカーボンプレート搭載
推進力をしっかり感じられるが、過度な反発ではなく安定感も確保。 - FlyteFoam Blast+ ミッドソール
軽量かつクッション性のある素材で、長時間のランニングでも安心。 - アッパーはエンジニアードメッシュ
高い通気性とホールド感で、トレーニングから本番まで幅広く活躍。
編集長コメント
「最初の一足でいきなりフルカーボンを試すのは怖い」という人にもMagic Speed 4はおすすめ。Metaspeedより扱いやすく、でもしっかり反発感を体験できる万能シューズです。
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2. adidas|Adizero Boston 13
「練習もレースもこれ1足でこなしたい」ランナーにおすすめ。カーボンではなくグラスファイバー製のエナジーロッドを搭載しており、反発は感じつつも過剰に跳ねすぎないバランス設計。初めての推進力体験を安心して味わえます。

カーボンシューズ初心者にも扱いやすい「ボストン」シリーズの最新作。カーボンではなくグラスファイバー製の「ENERGYRODS 2.0」を採用しており、カーボンに近い推進力を感じながらも反発がマイルドでコントロールしやすいのが特徴。ロングランやジョグにも使え、練習用シューズとしても優秀です。
主な特徴
- ENERGYRODS 2.0(グラスファイバー製)
カーボンに近い反発を感じつつ、脚への負担は少なめ。 - Lightstrike Proミッドソール
高反発で軽量なフォームを採用。マラソン後半でも安定感を発揮。 - 耐久性の高いアウトソール
Continentalラバーを採用し、長距離でも安心のグリップ力。
編集長コメント
「カーボンシューズはまだ不安」という人が最初に試すならBoston 13がベスト。クセが少なく、練習にもレースにも幅広く対応できる万能シューズです。
3. PUMA|Deviate Nitro 3

PUMAのプレートシューズ入門モデル。カーボンプレートを内蔵しながらも、独自の「NITRO FOAM」による柔らかいクッション性が際立ちます。跳ねすぎずクセが少ないため、カーボン特有の“扱いづらさ”を感じにくいのが特徴です。デザイン性も高く、普段履きや街ランにも取り入れやすいのも魅力。
主な特徴
- INNOPLATE(カーボン複合プレート)搭載
推進力を感じながらも、クセのない安定したライド感。 - NITRO FOAMクッション
軽量で柔らかく、初心者でも安心して履けるクッション性。 - スタイリッシュなデザイン
普段のコーディネートにも馴染みやすく、デイリーにも使える。
編集長コメント
「初めてのカーボンで失敗したくない」ならDeviate Nitro 2はかなりおすすめ。クッションが柔らかいので足にも優しく、ジョグやロングランでも安心して使えます。
4. Nike|Zoom Fly 6
「カーボンシューズの入口」として世界中で人気のZoom Fly。厚底ながら適度に安定感があり、Vaporflyほど反発が強すぎないため扱いやすい。サブ4〜サブ3.5を目指すランナーのステップアップに最適。

カーボンシューズの代名詞「Zoom Fly」シリーズが最新の第6世代にアップデート。上位モデルのVaporflyに比べて反発は穏やかで、日常的なトレーニングにも対応可能です。カーボンプレートの推進力と、厚底フォームによるクッション性の両立が光ります。「まずはナイキのカーボンを試してみたい」というランナーに最適。
主な特徴
- フルレングスカーボンプレート
ナイキらしい推進力を体感できる。 - ReactXミッドソール
クッション性と耐久性を両立。ZoomXよりも扱いやすい。 - 改良されたアッパー
軽量かつフィット感が増し、長時間走行でも快適。
編集長コメント
Zoom Flyはやはり“入門カーボン”の定番。強烈すぎない反発が安心で、普段の練習にも投入できるのがありがたいポイントです。
5. New Balance|FuelCell Propel v5

「反発感覚を養う、プレート入りシューズの入門モデル」として位置づけられているのが、ニューバランスのFuelCell Propel v5。カーボンよりもしなやかな TPUプレート を搭載しており、推進力を得つつも過度に跳ねすぎない自然な反発感が特徴です。そのため「いきなり強烈なカーボン反発は不安」というランナーにも扱いやすい設計になっています。
主な特徴
- TPUプレート搭載
カーボンより柔らかいため、プレートシューズ特有の反発を“体に優しく”体験できる。これからステップアップしたいランナーに最適。 - 軽量化&反発性向上したミッドソール
前作よりさらに軽く、弾む感覚が増しており、テンポ走やスピード練習でも活躍。 - Data to designのアウトソール
走行データをもとに配置されたラバーがスムーズな重心移動をサポート。踵外側には耐久性の高い「N durance」を搭載し、日常トレーニングでも長持ち。 - 通気性に優れたアッパー
レース用モデルを踏襲したデザインで、軽量メッシュにより夏場のトレーニングでも快適。普段使いにも違和感がないルックスも魅力。
編集長コメント
個人的には「本格カーボンに行く前の練習用」として非常にバランスが良いと感じます。反発感を養いながら、脚に余計な負担をかけずに使えるので、初めてプレート入りを試すランナーにはぜひおすすめしたい一足です。
最後に、以上の5足をまとめますね。
初めてのカーボンシューズ5足比較表
モデル | 主な特徴 | 価格(税込) | 初めて向きの理由 |
---|---|---|---|
ASICS Magic Speed 4 | フルレングスカーボン+安定性、練習〜レース両用 | 18,700円 | Metaspeedより扱いやすく、万能型。最初のカーボン体験に最適 |
Nike Zoom Fly 6 | ReactXフォーム+フルカーボン。厚底で安定感あり | 20,350円 | Vaporflyほど強烈ではなく、ナイキの反発を安心して体験可能 |
adidas Adizero Boston 13 | ENERGYRODS(グラスファイバー)+高耐久アウトソール | 19,800円 | カーボンに近い推進力を自然に体験。練習用にも使いやすい |
PUMA Deviate Nitro 3 | 柔らかいNITRO FOAM+カーボン複合プレート | 20,900円 | クセがなくクッション性が高い。脚に優しくカーボンデビュー向け |
New Balance FuelCell Propel v5 | TPUプレート+軽量FuelCell。安定性と反発を両立 | 13,750円 | カーボンよりマイルドな反発で安心。価格も抑えめで挑戦しやすい |
エリート向け!おすすめカーボンシューズ(2025年最新)
次に、よりサブスリー(フルマラソン3時間切り)レベルの速いランナーにおすすめのカーボン搭載定番シューズを3つご紹介。
Nike|Alphafly 3 / アルファフライ 3
マラソン世界記録を支えたモデル。ZoomXフォームとカーボンプレートの爆発的な推進力が特徴。サブ3を狙うランナーに。

フルマラソン目安タイム:2時間30分以内(エリート~サブ2.5ランナー向け)
ハーフマラソン目安タイム:1時間10分以内
特徴
- ヴェイパーフライよりもさらなるクッション性と反発力を持つ最上級モデル。
- Zoom Airポッド搭載でエネルギーリターンが最大化。
- 長距離での推進力が強く、エリートランナーに最適。
おすすめの用途
フルマラソンでサブ3を目指すランナーのレース用
ASICS|METASPEED SKY PARIS
日本人ランナーからも絶大な支持を集める一足。ストライド型ランナー向けで、マラソン後半まで失速しにくい。

- フルマラソン目安タイム: 2時間30分~3時間(サブ3.5~サブ2.5向け)
- ハーフマラソン目安タイム: 1時間10分~1時間30分
- 特徴:
- アシックスが誇る、カーボンプレート搭載のトップレーシングモデル。
- おすすめの用途:
- フルマラソンやハーフマラソンの自己ベスト更新
- エリートランナーのレース本番用
- ここ一番のスピード練習
adidas|Adizero Adios Pro 4
エナジーロッド+カーボン搭載。レース用として安定感もあり、市民ランナーに扱いやすい。

Adios Pro 4は、ミッドソールにアディダスで最も軽量かつ高反発な素材である「Lightstrike Pro」フォームを2層構造で贅沢に使用しています。この分厚いミッドソールの中に、推進力を生み出すカーボンファイバー製の「ENERGYRODS 2.0」を搭載。まるで地面を蹴るたびにバネが跳ねるような、強力な推進力を感じられます。アッパーには軽量で通気性に優れたメッシュ素材を使用しており、足をしっかりとホールドしながらも、長時間のレースでも快適さを保ちます。アウトソールにはグリップ力に定評のあるコンチネンタルラバーを採用しており、雨天時のレースでも安心してスピードを維持できます。
こんなランナーにおすすめ!
- 「フルマラソンでサブ3やサブ4を目指す、記録更新にこだわるランナー」
- 「レース後半の失速を防ぎたいランナー」
- 「カーボンプレートシューズを試してみたいランナー」
- 「アディダスの技術を結集した最高峰のシューズを体験したいランナー」
カーボンシューズの誕生ストーリー|厚底ランニングシューズ
カーボンプレートをランニングシューズに初めて搭載したのは、実はかなり前。1990年代〜2000年代にかけて、adidasやReebokがプロトタイプや一部モデルで採用していた記録があります。ただし当時は今のような「厚底フォーム+カーボンプレート」という組み合わせではなく、市場でも大きな話題にはなりませんでした。
2017年、ランニング界を変えた「革命」
転機は2017年。
ナイキが人類初のフルマラソン2時間切りを目指す「Breaking2プロジェクト」で、Nike Vaporfly 4% を発表。
厚底のZoomXフォームとフルレングスカーボンプレートを組み合わせたこのシューズは、エリウド・キプチョゲ選手らトップランナーの走りを支え、世界を驚かせました。
その直後に登場したのが、より市民ランナー向けに落とし込まれた Nike Zoom Fly。
価格を抑えつつカーボンプレートを搭載し、一般ランナーが「自分も履いてみたい」と思える最初の一足として大ヒット。ここから“カーボン革命”が一気に広がりました。

編集長コメント
僕自身も2017年にZoom Flyを履いたときの衝撃をよく覚えています。
「同じ力で走っているのに、勝手に前に進んでいくような感覚」は、まさにシューズがランニングの未来を変えた瞬間でした。
それまで「軽量で薄底」が正義だった時代から、「厚底+カーボン」という新しい常識に切り替わった歴史的な年だったと思います。
まとめ|カーボンシューズで走りを変える
- カーボンシューズは「速く走るための武器」だが、寿命は短め
- 買い替えサイクルを理解し、ジョグや練習用と使い分けることが重要
- 自分の走力・フォームに合った一足を選べば、自己ベスト更新の可能性が広がる
カーボンシューズは魔法の道具ではありませんが、正しく使えばランニングを大きく進化させてくれる存在です。
次のレースに向けて、一度試してみてはいかがでしょうか?
FAQ(よくある質問)
Q1. カーボンシューズは初心者でも履けますか?
A1. 履けますがおすすめはしません。カーボンシューズは推進力が強い分、脚力やフォームが未熟な段階ではシューズに振り回されやすく、足裏やふくらはぎを痛める原因になることも。まずはデイリートレーナーで基礎を作り、その後カーボンに移行するのが安全です。
Q2. カーボンシューズの寿命はどのくらいですか?
A2. 一般的には200〜300km程度とされています。厚底フォームの反発性が落ちやすいため、フルマラソン2〜3本+スピード練習で使い切るイメージ。ジョグやLSDには耐久性のあるシューズを使い分けましょう。
Q3. どんな走り方をすればカーボンシューズの効果を活かせますか?
A3. フォアフットまたはミッドフット着地で、軽く前傾して走るのが理想です。踵から強く着地すると反発が活かせず疲労が増えることも。プレートに“乗る”感覚で接地することがポイントです。
Q4. カーボンシューズは本当に速くなりますか?
A4. 「履くだけで誰でも速くなる」魔法のシューズではありません。ただ、効率よく走れるようになるのは確かで、特にフル後半でのストライド維持や脚の温存に効果を感じるランナーは多いです。
Q5. 初めてのカーボンシューズならどれを選べばいいですか?
A5. 扱いやすさと安定感で選ぶと安心です。Nike Zoom Fly、adidas Adios Pro、PUMA Deviate Nitro Elite 2などは比較的クセが少なく入門向き。Alphaflyのような強烈な反発モデルは慣れてから挑戦するのが無難です。
Q6. どんなカーボンシューズでもマラソン大会では違反にならない?
A6. いいえ。大会によっては世界陸連(WA)のルールが適用されます。ソールの厚さが40mm以内であること、一般販売されているモデルであること、などの規定があります。市民マラソンでは多くの場合問題なく使えますが、エリートレースや公式記録狙いでは要注意です。
Q7. カーボンプレートが入っているかはシューズの見た目でわかる?
A7. 外見だけではわからないことが多いです。カーボンプレートはソール内部に埋め込まれているため、黒いプレート部分が透けて見えるモデルもあれば、全く見えないモデルもあります。確実に知りたい場合はメーカー公式の製品説明をチェックしましょう。
Q8. カーボンプレートが入っているシューズは洗っても大丈夫?
A8. 基本的には問題ありません。ただしカーボンそのものは強度が高くても、周囲のフォーム素材(ZoomXやPebaxなど)は水や高温に弱いです。丸洗い後は直射日光を避けて陰干しし、熱や湿気による劣化を防ぎましょう。乾燥機やドライヤーは厳禁です。
Q9. カーボンシューズと厚底シューズって同じ?
A9. 厚底シューズ=カーボンシューズ、ではありません。
厚底シューズとはソールが分厚いシューズ全般を指し、クッション性や安定性を高めるために設計されています。その一部に「カーボンプレートを内蔵した厚底シューズ」が存在し、それがいわゆるカーボンシューズです。
つまり、
- 厚底シューズ:ソールが分厚い構造全般(例:HOKA Cliftonなど、カーボンなしでも厚底)
- カーボンシューズ:厚底+カーボンプレートで推進力を強化したモデル
と理解するとわかりやすいでしょう。