2025-03-17
ナイキはランニング市場で再び圧倒的存在感を示せるのか?

ナイキのランニングシューズの今後の販売・マーケティング戦略について解説したいと思います。昨今のナイキは特に厚底ブームを牽引した一時期の勢いがなくなり、アディダスやアシックスに追いつかれ追い抜かれています。今度ナイキがどのようにランナー間のシェアを伸ばしていくのか、ナイキの強みと弱みも踏まえた上で解説します。
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
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Contents|目次
ランニングシューズ市場の現状分析
まず近年のランニングシューズ市場は、以下の点で大きく変化しています。
- 厚底シューズ競争の激化:
- ナイキが先鞭をつけた厚底シューズは、各社が追随し、技術開発競争が激化しています。
- アシックスの「メタスピードシリーズ」、アディダスの「アディゼロシリーズ」など、高性能シューズが多数登場しています。
- 多様なニーズへの対応:
- ランナーのレベル、目的、足の形状などが多様化し、各社は幅広いラインナップを展開しています。
- 日常のジョギングから本格的なレースまで、あらゆるニーズに対応するシューズが求められています。
- サステナビリティへの意識の高まり:
- 環境問題への関心が高まり、リサイクル素材の使用や、製造工程における環境負荷低減などが重視されています。
- デジタル技術の活用:
- ランニングアプリやウェアラブルデバイスとの連携により、走行データの分析や、パーソナルなアドバイスの提供などが進んでいます。
ナイキというブランドの強みと弱み
強み
- ブランド力:
- 圧倒的な知名度とブランドイメージは、依然として大きな強みです。
- 技術力:
- 「ヴェイパーフライ」「アルファフライ」などで培った技術力は、世界トップレベルです。
- マーケティング力:
- トップアスリートとの契約や、革新的な広告キャンペーンなど、強力なマーケティング力を持っています。
- デジタル戦略:
- 「Nike+」から始まったデジタル戦略は、ランニングアプリ「NRC」など、顧客とのエンゲージメントを高めるツールが豊富です。
弱み
- 厚底ブームの陰り:
- 一時期の厚底シューズブームが落ち着き、他社との差別化が難しくなっています。
- 多様なニーズへの対応の遅れ:
- 一部のトップランナー向けシューズに偏り、幅広いランナー層へのアプローチが不足しているとの指摘があります。
- サステナビリティへの取り組みの遅れ:
- 環境意識の高い消費者へのアピールが、競合他社に比べて遅れている可能性があります。
今後の販売・マーケティング戦略
ナイキがランナー間のシェアを伸ばすためには、以下の戦略が考えられます。
- 多様なニーズへの対応:
- 幅広いランナー層に対応するため、シューズラインナップの拡充が必要です。
- 初心者向けのクッション性の高いシューズや、トレイルランニングシューズなど、多様なニーズに対応する製品開発が求められます。
- 技術革新の継続:
- 厚底シューズで培った技術を応用し、新たなイノベーションを生み出す必要があります。
- 素材、ソール構造、フィット感など、あらゆる面で技術革新を追求し、他社との差別化を図る必要があります。
- デジタル戦略の強化:
- ランニングアプリ「NRC」の機能を強化し、パーソナルなアドバイスや、コミュニティ機能などを充実させる必要があります。
- オンラインストアと実店舗を連携させ、顧客体験を向上させる必要があります。
- サステナビリティへの取り組みの強化:
- リサイクル素材の使用拡大や、製造工程における環境負荷低減など、サステナビリティへの取り組みを強化する必要があります。
- 環境に配慮した製品であることを、積極的にアピールする必要があります。
- コミュニティとの連携:
- ランニングイベントの開催や、ランニングクラブとの連携などを通じて、ランナーコミュニティとの繋がりを強化する必要があります。
- SNSなどを活用し、ランナーとのコミュニケーションを活発化させる必要があります。
ナイキは、これらの戦略を実行することで、ランニングシューズ市場でのシェアを再び拡大できる可能性がありますね。
ナイキのランニングシューズ戦略について、価格、卸売販売、ダイレクト販売の観点を加え、さらに詳細に解説します。
価格戦略
ナイキのランニングシューズは、幅広い価格帯で展開されています。
- エントリーモデル:
- 日常のジョギングやトレーニングに適したモデル。
- 価格帯:1万円前後
- ミドルレンジモデル:
- より高いパフォーマンスを求めるランナーに適したモデル。
- 価格帯:1万5千円~2万円
- ハイエンドモデル:
- レースやトップアスリート向けに開発された高性能モデル。
- 価格帯:2万円以上
近年、ナイキはハイエンドモデルの価格を引き上げる傾向にあります。これは、技術革新への投資や、ブランド価値の維持を目的としています。しかし、価格上昇は、一部のランナーにとって購入を躊躇させる要因にもなっています。
販売戦略
ナイキは、卸売販売とダイレクト販売の両方を展開しています。
- 卸売販売:
- スポーツ用品店や百貨店などの小売店を通じて販売。
- 幅広い顧客層にリーチできるメリットがあります。
- ダイレクト販売:
- 自社のオンラインストアや実店舗「NIKE直営店」を通じて販売。
- 顧客との直接的な関係を構築し、ブランド体験を向上させることができます。
近年、ナイキはダイレクト販売を強化しています。これは、以下の理由が考えられます。
- 利益率の向上:
- 中間業者を介さないため、利益率が高くなります。
- 顧客データの収集:
- 顧客の購買履歴や行動データを収集し、マーケティングに活用できます。
- ブランドコントロール:
- 自社のブランドイメージを維持し、一貫した顧客体験を提供できます。
ダイレクト販売の強化は、ナイキにとって重要な戦略ですが、小売店との関係も維持する必要があります。小売店は、地域に密着した販売や、顧客へのきめ細やかなサービスを提供できる強みがあります。
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タグ: ナイキ ランニングシューズ
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