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2023-10-06

ランニング(有酸素運動)よりも筋トレが健康に良い科学的理由とは

最終更新日 2023年11月4日

運動不足を解消したい。健康診断の結果が悪かったので改善したい。じゃぁ、何から始めよう?ジョギング?それともジムに行ってトレーニング?

そんな「健康」への悩みやアクションに困っている人も少なく無いのではないでしょうか。今回は最新の科学的エビデンスから特に「筋トレ」の効果に関して様々な観点からご紹介します。結論から言うと、「筋トレは心にも身体にも最適なソリューション」であることが断言できます。

参考文献|科学的に正しい筋トレ

今回参考にしたのはトレーニング法、タンパク質摂取法、睡眠法…、筋トレにまつわる様々なメソッドを、理学療法士で人気ブロガーの著者「庵野 拓将」氏によるベストセラーです。
スポーツ科学、医学、心理学、公衆衛生学、進化心理学など、世界の有名大学が行ったトレーニングにまつわる研究論文に基づき、「最強の筋トレ法」著者独自の視点から、科学的に正しい知見で分かりやすく解説しています。

有酸素運動と筋トレはどちらが健康になるのか?

まず気になるのがランニングやジョギングと言った有酸素運動と、筋力トレーニング(いわゆる筋トレ)との比較ですね。

2017年シドニー大学のスタマタキスらによって行われた大規模調査の結果によると、筋トレによってがんによる死亡率は31%減少し、すべての病気による死亡率は23%減少することが確認されました。

これは驚異的な結果ですよね。しかもジョギング・ランニングなどの有酸素運動と比較した場合、筋トレの方が上記効果でより「健康」に対して優位に貢献できることが調査結果の上に明らかになっています。

ジムでなくても自宅トレーニングで効果あり

また、これはトレーニングジムによる器具を使った専門的なトレーニングでなくても、自宅トレーニングで効果が現れるということです。忙しいもしくは金銭的にジムへ行く余裕の無い人でも、筋トレによって確実に健康が手に入れられるということです。

筋トレが健康にメリットのある具体的な理由

これは次のようなものが考えられ、単一の理由ではなく包括的な結果と考えらえるでしょう。

  • トレーニングによる血圧低下
  • 糖尿病のリスク低下
  • グルコース代謝の改善
  • 抑うつ症状の軽減
  • 認知機能の改善
  • 筋肉量の維持・増加

これだけ見ただけでも、いかに筋トレが健康に良いかが分かりますね

筋トレで疲れにく・病気にかかりにくくなる?アミノ酸が鍵

筋肉に関して覚えておくべきポイント、それは筋肉は身体を作る原料となるアミノ酸の貯蔵庫になるということです。

身体のエネルギー源=アミノ酸

なんですね。身体はアミノ酸が不足すると、筋肉に貯蔵されたアミノ酸を分解してエネルギー源としています。つまり、筋肉量が多ければ多いほど、エネルギー源となるアミノ酸をたくさん貯蔵できる、つまり体力が向上するという論理です。すごいですね。

怪我や病気の回復にもアミノ酸がはたらく

これは日々の生活だけでなく、怪我や病気などの疾患においてもアミノ酸が有効に働きます。怪我や手術をした時は、筋肉中のアミノ酸貯蔵量が多いほど回復力が高くなり、怪我の治りや手術の予後もよくなるという研究報告があるそうです。

まさにアミノ酸 -> 筋トレが健康に万能であることを示していますね。

筋トレの効果を最大化させる食事(タンパク質)

トレーニング自体と同じぐらい大切なのが食事・栄養です。

中でも「タンパク質」はやはり身体にとって、筋トレ後の回復にとって欠かせない栄養素なんですね。

なぜタンパク質が筋トレに重要なのか?

まず人間の体は6割が水分で構成されています。水分の次に大きな割合を占めるのが2割のタンパク質なんです。タンパク質は心臓や肺と言った臓器から、髪の毛や爪にいたるまであらゆる人体のパーツを作る原料となっています。

さらに、タンパク質はアミノ酸から構成されています。アミノ酸には9種類の必須アミノ酸と、11種類の非必須アミノ酸に分けれるのですが、必須アミノ酸は体内で作り出すことができないため、食事と言う形で外から摂取しないといけない栄養素です。

筋トレは筋繊維を破壊する行為です。この破壊によって分解された繊維を修復するためにアミノ酸(タンパク質)が使われます。破壊と分解と修復を繰り返した筋繊維は、より強く大きくなって回復する。これが筋トレの原理です。

つまり、筋トレ後にタンパク質を摂取するというのは身体の再生メカニズムから非常に理にかなっていると言えます。もはや筋トレ後のタンパク質摂取は常識と言えるでしょう。

良質なタンパク質とは必須アミノ酸9種を含む

ではタンパク質なら何でも良いかと言うとそうではありません。大切なのは身体では作ることができない必須アミノ酸9種を全てバランスよく含む次のような食材です。

  • 豚肉
  • 牛乳
  • 大豆

これらを3食でバランスよく摂取することが推奨されています。中でも牛乳はタンパク質のみならず炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く含んだ栄養食。さらに必須アミノ酸が豊富に含まれている隠れた実力者とのこと。卵も完全栄養食で、アミノ酸の観点だと必須アミノ酸9つを全てバランスよく含んでいます。卵黄はカロリーやコレステロール値も高く嫌煙されがちですが、筋トレの観点からすると白身も卵黄もどちらも大事です。

食事では補えないタンパク質はプロテインで

3食の食事では、筋トレをしている人にとってはタンパク質をバランス良く補うには足りない場合が多いため、専用のプロテインが登場します。

プロテインには3種類あり

  • ホエイプロテイン
  • ソイプロテイン
  • カゼインプロテイン

トレーニング後3時間での筋肉の合成を最も高めるのはホエイプロテインという調査結果ができています。

筋トレ後のプロテイン摂取のタイミングは24時間持続する

筋トレを日常的に行なっている人はトレーニング直後30分がプロテイン摂取のゴールデンタイムというのはもやは常識かと思います。実際にこちらは科学的エビデンスに基づいており、筋繊維の破壊による筋肉合成感度は30後までが最も高まると言われていますが、実際は筋トレ後24時は合成感度が高い状態が続くそうです。

まとめると、筋トレの効果を最大化するためには、筋トレ後24時間以内に必須アミノ酸をバランス良く含む良質なタンパク質を摂取することが、何よりも大事です。

筋トレの効果を最大化させる食事(休息)

筋トレにおいてはトレーニング自体も大事ですが、前述のようにトレーニングの効果を最大化させるための食事・栄養面もとても重要な要素です。

さらに筋トレ、栄養以外にも注意したいのが休息ですね。

睡眠が筋トレの質を上げ、筋トレが睡眠の質を上げる

睡眠不足だと筋トレ効果を下げてしまうという調査結果が出ています。これは、睡眠不足の状態だと高負荷を与えるパワーが出づらくなるというのが原因のようです。

逆に、筋トレ自体が睡眠の質を高める研究結果も出ています。これは、次のようなメカニズムです。

筋トレによって

  • 睡眠中の体温が上昇し、より深いノンレム睡眠の質を高める
  • 心拍数が下がり、睡眠の質が向上する
  • 不安を解消する効果があるため、結果睡眠の質が改善される

不安の解消、うつ病の抑制にも筋トレは効果を発揮します。日本人は不安を抑制する脳内のセロトニンの分泌が弱いと言われています。筋トレは、これを促す効果によって抑うつ状態を抑えたり、不安を解消する効果があるようです。

睡眠や不安(ストレス)解消との相乗効果をさらにランニングで高める

ジョギングやランニングに代表される有酸素運動も、睡眠の質の向上や抑うつ状態の抑制に効果的と言われています。つまり、筋トレとランニングを組み合わせることで、睡眠やストレス発散をさらに効果的に得られることになります。

このあたりの相乗効果は、こちらの記事でもまとめています。ぜひご覧ください。

【ランニングと筋トレ】相乗効果を総まとめ

【ランニングと筋トレ】速くなるためじゃない4つの相乗効果

見逃せない筋トレのダイエット効果

最後に、本トピックでぜひ触れておきたいのがダイエット効果です。綺麗に痩せたい、無駄な脂肪を落としたい。そんな時は有酸素運動であるジョギング・ランニングが筆頭に挙がります。当然カロリーを消費するという観点では有酸素運動は効果的ですが、筋トレにはまた別の角度からダイエットに大きく貢献する要素があります。

基礎代謝を向上することがリバウンドしないダイエットの近道

ダイエットで一番厄介なのはリバウンド。過度な食事制限はリバウンドの代表例ですね。

筋トレがリバウンドしないダイエットに最も効果的になのは基礎代謝の向上に寄与できるからです。人間の身体はその日の稼働を維持するために、特別な運動をしなくても基礎代謝としてある一定量のエネルギーを消費します。それが基礎代謝と呼ばれる身体のベースライン。筋トレは、この基礎代謝によるカロリー消費量を向上してくれるんですね。毎日の食事量を減らさなくても、定常的に筋トレして基礎代謝の向上や維持に努めていれば、身体がより多くのカロリーを消費して太りにくい身体を作ってくれます。これは見逃せない効果です。

当然、これに有酸素運動であるジョギングやランニングを組み合わせるともっと効果的。さらなる詳細はこちらの記事も参考にしてみてください。

【2021最新】ジョギングやランニングのダイエット効果を徹底解説します!

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他にも、runstagramerではジョギング・ランニングのみならず筋トレに関する多くの記事を配信しています。合わせて参考にしてください。

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