ランナーにとってタンパク質やアミノ酸が重要な理由

タンパク質、アミノ酸…長距離を走って疲労が溜まりがちなランナーにとって栄養補給は重要だけど、何がどのように効くのかわからない!そんな人のために詳しく解説します!
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
- 20年以上ランニングを楽しむ市民ランナー
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なぜタンパク質がランナーにとって重要なのか?
タンパク質は、ランナーにとって筋肉の修復・成長をはじめ、持久力の維持や免疫機能のサポートなど、多くの重要な役割を担っています。特に、マラソンや長距離ランをする人にとって、適切なタンパク質摂取はパフォーマンス向上や疲労回復に直結します。
1. 筋肉の修復と強化
ランニングは繰り返しの衝撃によって筋繊維に微細な損傷を与えます。適切なタンパク質摂取により、筋肉の修復・再生がスムーズに進み、怪我のリスクを減らしながら筋力を維持・向上できます。
2. 持久力の維持
長距離ランニングでは、エネルギー源として主に糖質(グリコーゲン)が使われますが、グリコーゲンが枯渇すると、体はエネルギーを補うために筋肉を分解してアミノ酸を利用しようとします。十分なタンパク質を摂取することで、筋肉の分解を最小限に抑え、持久力を維持できます。
3. 免疫機能の向上
ハードなトレーニング後は免疫力が低下しやすく、風邪をひいたり、回復が遅れたりすることがあります。タンパク質は免疫細胞の材料にもなるため、適切な摂取が免疫力維持につながるのです。
どんな時にタンパク質を摂るべきか?
① 運動後30~60分以内(ゴールデンタイム)
▶ 目的: 筋肉の修復と回復を早める
▶ 例: ホエイプロテインシェイク、ギリシャヨーグルト、低脂肪牛乳+バナナ
ランニング後30~60分は、体が栄養を最も吸収しやすい「ゴールデンタイム」です。この時間にタンパク質を摂取することで、筋肉の合成が最大化され、疲労回復が早まります。
② 就寝前
▶ 目的: 睡眠中の筋肉の修復・成長を促進
▶ 例: カゼインプロテイン、カッテージチーズ、ナッツ+ヨーグルト
寝ている間も筋肉の修復が続くため、**ゆっくり吸収されるカゼイン(乳製品由来のタンパク質)**を含む食品が適しています。
③ 朝食時
▶ 目的: 筋肉の分解を防ぎ、代謝を活性化
▶ 例: 卵+全粒パン、オートミール+ナッツ&プロテイン、納豆+ご飯
起床後は、夜間の断食状態で筋肉の分解が進んでいるため、しっかりタンパク質を摂取してリカバリーを促します。
④ 長時間のトレーニング後
▶ 目的: 持久力維持、筋分解の抑制
▶ 例: BCAA(分岐鎖アミノ酸)サプリメント、プロテインバー、ゆで卵
マラソンなど長時間走る場合は、途中でもアミノ酸を補給すると筋肉の分解を防げます。
どんな摂取方法が効果的か?
- ホエイプロテイン(吸収が速い) → 運動直後に最適
- カゼインプロテイン(吸収が遅い) → 就寝前におすすめ
- 食事から摂取 → バランスの取れた食事でしっかり補給
- 動物性タンパク質: 鶏むね肉、魚、卵、乳製品
- 植物性タンパク質: 大豆製品(豆腐・納豆)、ナッツ、雑穀
結論
ランナーにとってタンパク質は、筋肉の修復・成長、持久力維持、免疫力向上に不可欠です。運動後のゴールデンタイムや、朝食・就寝前の適切なタイミングで摂取することで、回復を早め、パフォーマンス向上につながります。食事とサプリを上手に組み合わせて、効率よくタンパク質を摂りましょう!
アミノ酸リカバリー商品(アミノバイタルなど)とプロテイン(タンパク質)の違い
ランナー向けのリカバリー商品にはアミノ酸サプリ(アミノバイタルなど)も有名ですね。
実は、タンパク質は摂取すると体内でアミノ酸に分解されて吸収されるのです!
1. 含まれる成分の違い
アミノ酸リカバリー商品(アミノバイタルなど) | ホエイプロテイン | |
---|---|---|
主成分 | BCAA(ロイシン・イソロイシン・バリン)、グルタミンなどの遊離アミノ酸 | タンパク質(主にβ-ラクトグロブリン、アルブミン) |
消化プロセス | すでに分解されたアミノ酸なので即吸収 | タンパク質を消化・分解してアミノ酸として吸収 |
摂取量(1回) | 数グラム(少量) | 20~30g(しっかり摂取) |
➤ アミノ酸サプリは すでに分解された状態なので、吸収が速く、トレーニング直後や運動中にすぐエネルギーや回復をサポートします。
➤ ホエイプロテインは 体内で消化・分解が必要ですが、しっかりと筋肉を修復・強化するために重要です。
2. 吸収速度の違い
- アミノ酸サプリ(アミノバイタルなど):吸収が超速い(約30分)
→ 消化の必要がなく、小腸からダイレクトに吸収されるため、運動中や直後に素早く利用できる - ホエイプロテイン:吸収に1~2時間かかる
→ 体内で分解・消化されてから吸収されるが、より長く持続的に筋肉の修復に使われる
3. 目的の違い
目的 | アミノ酸リカバリー商品 | ホエイプロテイン |
---|---|---|
素早い回復・エネルギー補給 | ◎(即効性あり、長時間の運動時や運動直後向き) | △(吸収が遅いため即効性は低い) |
筋肉の修復・成長 | △(筋合成には不十分) | ◎(筋肉の材料としてしっかり働く) |
長時間のトレーニング時のサポート | ◎(持久力維持に最適) | △(消化に時間がかかるため運動中は不向き) |
どちらを選ぶべき?(おすすめの使い分け)
✅ 運動中・運動直後(リカバリー目的)
→ **アミノ酸サプリ(アミノバイタルなど)**がおすすめ
理由:吸収が速く、素早くエネルギー補給&回復サポートができる
✅ トレーニング後の筋肉修復・成長
→ ホエイプロテインを摂取
理由:筋肉の修復・合成には十分なタンパク質が必要だから
✅ ハードな練習をするランナーやフルマラソン時
→ **アミノ酸サプリ(運動中・直後)+ホエイプロテイン(運動後1時間以内)**の併用がベスト
結論
- アミノ酸サプリは即効性があり、ランニング中・直後の回復に最適
- ホエイプロテインは筋肉修復・成長に効果的で、トレーニング後の栄養補給向き
- 併用するとより効率的に回復&強化ができる
長距離を走るランナーなら、アミノ酸で素早く回復し、ホエイプロテインでしっかり筋肉を補修するのが理想的な摂取方法です!
ホエイ・ソイ・エッグプロテインの違いと選び方
プロテインといっても、実際には主に ホエイ(乳由来)、ソイ(大豆由来)、エッグ(卵由来) の3種類があり、それぞれ吸収速度や栄養特性が異なります。ランナーにとって最適なプロテインを選ぶために、それぞれの違いを理解しておきましょう。
1. ホエイプロテイン(乳清由来)
✅ 特徴
- 吸収が速い(1~2時間以内)
- 必須アミノ酸&BCAAが豊富で筋肉の修復に最適
- 筋肉合成を促す「ロイシン」が多い
- 水に溶けやすく、飲みやすい
🏃♂️ おすすめの用途
- 運動直後の素早いリカバリー(ゴールデンタイムに最適)
- 筋肉量を維持・増やしたいランナー向け
❌ デメリット
- 乳糖不耐症の人はお腹を壊す可能性あり(乳糖を含むホエイコンセントレートは注意)
🥤 おすすめの摂取タイミング
✅ 運動直後(30分以内) → 最速で吸収され筋肉の修復を助ける
2. ソイプロテイン(大豆由来)
✅ 特徴
- 植物性タンパク質でヘルシー
- 吸収が緩やか(3~4時間) → 持続的にタンパク質を供給
- 大豆イソフラボンを含み、健康や美容にも良い
- 腹持ちが良く、減量や体重管理にも適している
🏃♂️ おすすめの用途
- 長時間の栄養補給(間食・就寝前)
- ダイエットしながらタンパク質を摂りたい人向け
❌ デメリット
- 筋肉合成を促すロイシンがホエイより少ない(筋肥大目的にはやや不向き)
- 水に溶けにくく、粉っぽい飲み心地
🥤 おすすめの摂取タイミング
✅ 就寝前や間食 → 長時間アミノ酸を供給し、筋分解を防ぐ
3. エッグプロテイン(卵白由来)
✅ 特徴
- 吸収速度は中間(2~3時間) → ホエイより遅く、ソイより速い
- 必須アミノ酸バランスが良く、筋合成にも有効
- 乳糖不耐症の人でも安心して摂取できる
- アミノ酸スコア100で消化吸収率が高い
🏃♂️ おすすめの用途
- ホエイの代替として(乳糖不耐症の人向け)
- 筋肉の修復&持続的なタンパク質供給
❌ デメリット
- 価格が高め(卵白を使用しているためコストがかかる)
- ややクセのある風味(卵っぽい味が苦手な人も)
🥤 おすすめの摂取タイミング
✅ 運動後 or 就寝前 → 適度な吸収速度で長時間サポート
どのプロテインを選ぶべき?(ランナー向けの選び方)
目的 | おすすめのプロテイン |
---|---|
運動直後のリカバリー | ホエイプロテイン(吸収が速く、BCAAが豊富) |
長時間のタンパク質補給(就寝前・間食) | ソイ or エッグプロテイン(吸収が緩やか) |
乳糖不耐症だけどホエイに近い効果が欲しい | エッグプロテイン(アミノ酸スコアが高く、消化吸収が良い) |
体重管理・ダイエットしたい | ソイプロテイン(腹持ちが良く、カロリー控えめ) |
結論
- 素早いリカバリーならホエイプロテイン(運動直後に最適)
- 長時間の栄養補給ならソイプロテイン(ダイエットや就寝前におすすめ)
- 乳糖不耐症やホエイの代替ならエッグプロテイン(バランスが良く、筋肉修復にも有効)
▶ ランナーなら「ホエイ(運動後)+ソイ or エッグ(就寝前)」の併用が理想的!