東京マラソンの経済効果などインパクトを調べてみた

国内最大のマラソンイベントである「東京マラソン」はすべてのマラソン大会の中でも群を抜いてあらゆる数字がビッグです。今回はそんな東京マラソンの経済効果などあらゆる数字インパクトを調べてみました。
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
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Contents|目次
参加者の推移、海外ランナー率など
東京マラソンは、2007年の第1回大会以来、参加者数や海外ランナーの比率は年々増加傾向にあります。
参加者数の推移:
以下に、近年の東京マラソンにおける完走者数を示します。
- 2019年:35,460人
- 2020年:新型コロナウイルスの影響で一般ランナーの参加が中止となり、エリート選手のみの開催で165人が完走
- 2021年:新型コロナウイルスの影響で一般ランナーの参加が中止となり、エリート選手のみの開催
- 2022年:一般ランナーの参加が再開され、約38,000人が完走
- 2023年:36,751人が完走
- 2024年:38,000人が完走
海外ランナーの比率:
東京マラソンは、世界的なマラソン大会として多くの海外ランナーを迎え入れています。2019年大会の参加者国別データは以下の通りです。
- アメリカ:1,190人
- 台湾:1,134人
- 中国:1,131人
- 香港:653人
- イギリス:507人
- タイ:428人
- カナダ:235人
- インドネシア:232人
- オーストラリア:232人
これらのデータから、アメリカ、台湾、中国からの参加者が特に多いことが分かります。また、2020年大会では、アメリカからの参加者が1,803人と増加傾向にありました。
年齢層の特徴:
東京マラソンの参加者は、他の主要マラソン大会と比較して高齢者の割合が高いことが特徴です。2024年大会では、完走者の約50%が50歳以上であり、長年にわたりマラソンを愛好するランナーが多く参加していることが示されています。
地域別参加者分布:
参加者の居住地別分布では、関東地方からのランナーが多数を占めています。例えば、2019年大会では関東地方からの参加者が約71.5%を占め、次いで甲信越・東海・北陸地方が約10.0%、近畿地方が約6.6%となっています。
これらのデータから、東京マラソンは年々規模を拡大し、多様な国・地域からのランナーが集まる国際的な大会であることが分かります。
東京マラソンの経済効果は?
東京マラソンは、毎年多くのランナーと観客を集め、東京都および日本全体に significant な経済効果をもたらしています。以下に、過去数回の大会における経済波及効果の推移をまとめます。
開催年 | 国内の経済波及効果 | 東京都の経済波及効果 |
---|---|---|
2017年 | 約284.2億円 | 約165.9億円 |
2023年 | 約309.5億円 | 約不明 |
2024年 | 約526.0億円 | 約375.7億円 |
2024年の東京マラソンでは、国内全体で約526億円、東京都内で約375.7億円の経済波及効果があったと報告されています。 東京マラソン
これらの数値は、ランナーや観客の消費活動、宿泊、飲食、交通、関連商品の購入など、多岐にわたる経済活動を反映しています。また、2023年の大会では、運営費約35.6億円に対し、経済波及効果が約309.5億円と試算されており、運営費の約8.6倍の効果があったとされています。
これらのデータから、東京マラソンは年々その経済効果を拡大しており、地域経済や関連産業にとって重要なイベントであることがわかります。
東京マラソン運営の収益内訳は?
2019年の東京マラソンの決算情報によれば、経常収益は約42億2,672万円、経常費用は約41億2,513万円であり、収益の内訳は以下の通りです。
項目 | 金額(万円) | 割合(%) |
---|---|---|
協賛金収益 | 26,520 | 63 |
参加料収益 | 4,874 | 12 |
協賛物品収益 | 2,656 | 6 |
都分担金等 | 2,148 | 5 |
その他 | 6,069 | 14 |
合計 | 42,267 | 100 |
これらのデータから、東京マラソンの運営費用は主に協賛金収益によって賄われており、参加料収入は全体の一部を占めるに過ぎないことがわかります。面白いですね。
チャリティの仕組みと寄付総額は?
2023年度のチャリティ寄付金総額は、3億5,714万3,684円であり、累計では37億7,456万9,444円に達しています。そもそも、チャリティはどんな仕組みなのでしょうか?
東京マラソンのチャリティは、参加者や支援者が大会を通じて寄付活動を行う仕組みです。以下にその仕組みを詳しく説明します。
1. チャリティランナー制度
東京マラソンでは、特定のチャリティ団体と提携し、チャリティランナーとして参加することができます。チャリティランナーは、エントリー時に定められた金額を募金として集め、その集まった寄付金が指定された慈善団体に寄付されます。
- 目標金額:チャリティランナーは一定の寄付金額を集める目標が設定されており、目標を達成することでエントリーが確定します。通常、募金目標は5万円以上となっていることが多いです。
- 参加者の募集:チャリティランナーの募集は、一般エントリーとは別に行われ、希望者はチャリティプログラムに応募し、希望するチャリティ団体を選んで募金活動を行います。
2. 寄付金の活用
集まった寄付金は、東京マラソンが提携するさまざまな慈善団体や社会貢献活動に寄付されます。例えば、難病支援、子供支援、教育プログラム、環境保護など多岐にわたる分野の活動に使われます。
3. 個人募金・グループ募金
チャリティランナーは、自分個人で募金活動を行うだけでなく、グループとして募金活動をすることもできます。また、寄付者に対しては、オンラインで寄付が可能で、募金活動を簡単に支援できる仕組みが整っています。
4. チャリティエントリー
通常のランナーエントリーとは別に、チャリティエントリーとして参加することも可能です。この場合、エントリー料が通常のランナーよりも高く設定されていることが多いですが、その追加分が全額寄付として使用されます。
5. チャリティ活動の透明性
東京マラソンでは、チャリティ活動の透明性を重視しており、寄付金がどのように使用されているかを報告する仕組みを設けています。募金活動が終了した後、各団体への寄付額などの情報が公開されます。