サッカニー(Saucony)とは?知る人ぞ知る実力派ランニングシューズブランドを徹底解説

近年、日本でも徐々に注目を集めているランニングシューズブランド「サッカニー(Saucony)」。
ナイキやアシックス、ホカに比べると知名度はやや控えめですが、実は120年以上の歴史を持つ老舗であり、アメリカでは長年にわたって高い信頼を得ているランナー向けブランドです。
本記事では、サッカニーの歴史や特徴、主力モデル、それぞれのおすすめランナー、他社モデルとの比較までを総合的に解説します。
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- runstagramer 編集長 / 三好拓也
- 20年以上ランニングを楽しむ市民ランナー
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Contents|目次
サッカニーの歴史と背景

1898年、アメリカ・ペンシルベニア州にて創業。
ブランド名は創業地に流れる「Saucony Creek」に由来し、ロゴもその川の流れと水の流れる石を表現したものになっています。
サッカニーは、当初アスレチックシューズを製造する企業としてスタートし、やがてランニングに特化した高性能シューズを展開するようになります。今日では、プロのマラソン選手から一般市民ランナーまで、多くのランナーに愛用されています。
サッカニーの特徴と技術

- 反発性とクッション性の両立
PWRRUN / PWRRUN+ という独自素材で、推進力と柔らかさのバランスが絶妙です。 - 足を包み込む快適なフィット感
FORUMFITと呼ばれる足形にフィットするアッパー構造が人気。 - 軽量でスピードを妨げない設計
特にEndorphinシリーズではその恩恵が大きく、スピード練習やレースにも対応。
サッカニーの主なラインナップとおすすめランナー
Endorphin Pro 4

Endorphin Pro 4は、サッカニーのトップレベルのレーシングシューズで、カーボンプレートと最新ミッドソール素材を組み合わせた**「フルマラソン向け・記録狙い」のモデルです。2024年春に登場した第4世代で、シリーズとしてはさらに反発力と安定性を高次元で両立**させています。
主な特徴と技術
1. カーボンプレート×PWRRUN HG + PWRRUN PBのダブルミッドソール
- 上層には柔らかさと弾力に優れた「PWRRUN PB」
- 下層には反発と剛性の高い「PWRRUN HG」
- この2層構造が、脚に優しい着地と爆発的な推進力を両立させています。
2. サッカニー独自の「Speedroll Geometry」
- 着地から蹴り出しまでを滑らかに導くロッカー構造
- ストライドが自然に伸び、長距離でもフォームが安定します
3. 改良されたアッパー素材(Engineered Mesh)
- 通気性とフィット感を高めた新デザイン
- トウボックスがやや広めに改良され、長時間のレースでも快適
カーボンプレート搭載のレーシングモデル。軽量で強い反発力を備え、サブ3〜サブ3.5を狙う本気ランナー向け。
Endorphin Speed 4

Endorphin Speed 4 は、サッカニーのスピード系トレーニングモデルとして高い評価を得ている一足。ナイロンプレートを搭載した高反発ランニングシューズで、「レースからトレーニングまで使える万能カーボン系シューズ」として人気です。
第4世代では、フィット感・安定性・反発性のバランスがより洗練され、まさに「Proと並走できるスピードシューズ」へと進化しました。
1. ナイロン製プレート+PWRRUN PBフォーム
- Proとは違い、ナイロンプレートを採用しておりしなやかさと弾性のバランスが絶妙
- 軽さと推進力を両立しながら、カーボンほどピーキーではないため扱いやすい
2. Speedroll Geometry(スピードロール構造)
- サッカニーお馴染みの前傾推進設計
- 着地から蹴り出しまでをスムーズにつなげ、テンポよく前に進む感覚が得られる
3. アッパーの改良(エンジニアードメッシュ)
- 前作よりもしっかりとしたホールド感に
- 横ブレを抑え、テンポ走やインターバル時も安心の安定性
4. アウトソールの耐久性向上
- グリップ力と耐久性がアップし、トレーニング用途により適した構造に
- ロング走からスピード練習まで幅広く対応


Ride 17
デイリートレーナーとして設計されており、初心者やLSD向け。クッション感がしっかりあり、長時間の走行でも疲れにくい。
Triumph 22

*Saucony Triumph(トライアンフ)**は、サッカニーが誇る「最大級のクッショニング」を備えたプレミアムランニングシューズシリーズです。Triumph 22では、前作(21)からさらに快適性と走行感が洗練され、厚底・ソフト・スムーズなライド感を求めるランナーに向けた一足に進化しています。
1. PWRRUN PBフォームを初採用
Triumphシリーズとしては初めて、サッカニーの高反発素材PWRRUN PBをフルレングスで採用。これまでのPWRRUN+よりも軽量かつ反発性が高く、クッショニングとエネルギーリターンが大幅にアップしました。
2. よりボリュームのあるミッドソール
- 見た目にもわかる分厚いフォーム量
- 着地の衝撃をしっかり吸収しつつ、リズムよく前に進ませる感覚が得られる
- 脚への優しさと走行効率のバランスが向上
3. 快適性を追求したアッパーデザイン
- フラットニットアッパーが足を優しく包み込む構造
- 通気性とフィット感を両立
- シュータン・ヒールのパッドも柔らかく、快適な履き心地
Triumph 21からの主な変更点
比較項目 | Triumph 21 | Triumph 22 |
---|---|---|
ミッドソール素材 | PWRRUN+ | PWRRUN PB(反発性UP) |
クッション感 | やや柔らかく沈む | 軽く反発感あるクッション |
走行感 | 柔らかさ重視 | 柔らかさ+スムーズな反発 |
重さ | やや重ため | 少し軽量化(公式未発表) |
フィット感 | ソフトだが若干ルーズ | よりホールド力が増した印象 |
Triumph 22はどんなランナー向け?
- ロング走やLSDで脚にやさしいクッションが欲しい人
- ジョグ・回復走で「ふわっと包まれる感覚」を味わいたい人
- 厚底+反発のバランス型で足に優しい高性能モデルを探している人


Kinvara 14
プレート無しで軽量・自然な走行感。筋力でしっかり走るタイプのランナーに好まれます。
Peregrine(トレイル)
グリップ力に優れたトレイル用。悪路や不整地でのランにも対応できる安心設計。
他社ブランドとの比較
ブランド | 競合モデル | 違い |
---|---|---|
ナイキ | Vaporfly, Pegasus | 推進力重視、少し癖あり |
アシックス | Metaspeedシリーズ | 安定性が高いがやや重め |
ホカ | Clifton, Rocket X | 厚底で柔らかくフワフワ系 |
ニューバランス | FuelCell 1080 | クッションと反発のバランス重視 |
アディダス | Adizero Pro | 軽量・反発性に優れるが上級者向け |
サッカニーは「バランスの良さとクセのなさ」が強み。特にレースも練習も1足でこなしたいというランナーにぴったりです。
まとめ:機能性と履き心地のバランスで選ぶならサッカニー
「とにかく速く走れるシューズを」といった過度なスペックではなく、「しっかり走れて、履きやすい」。
サッカニーは、そんな実直な走りを支えるためのランニングシューズを作り続けてきました。
知名度はまだナイキやアシックスほどではありませんが、履いてみた人がリピートする確率の高い“実力派ブランド”。
今のシューズが合わない、そろそろ買い替えたい…というランナーは、ぜひ一度サッカニーを候補に入れてみてください。